「お母さん!」って呼びたい女の子の話

7歳の女の子が植えた朝顔が咲きました。昨年1年生の時に植えた朝顔が咲いて、取れた種です。たくさん植えたのですが、義母が草引きの時に抜いてしまいました。あれまあ!という感じです。義母にとっては自分の植えた花以外は草のようです。生き延びた貴重な朝顔です(笑)

rosieさんが以前に勤めていた知的障害者の施設での話です。先日、こちらの友人と話していたら、「その話、ブログに書いたらどうですか?」と言われました。

そうだなあ。rosieさんにとってはとても大切な話なので、一度書いてみることにしました。

これはrosieさんがその施設に勤める以前の話から始まります。

施設で育った女の子

知的障害をもつ母のもとに生まれた女の子

ある知的障害をもつ年配の女性がいました。よし子さんと言いました。よし子さんには子どもがいました。知的障害をもつ故に事情があり、私生児として生まれた女の子は「みゆき」と名付けられました。彼女は最初は祖母のもとで育てられましたが、ある時期からは養護施設に入り、大きくなりました。父親が誰なのかはわかりませんでした。

思春期を迎えた女の子

思春期を迎えた中学生の頃、みゆきさんは大荒れでした。「園長を出せ!お母さんに会わせろ!」と夜中に何度も電話をかけて来たそうです。よし子さんは知的障害があるので、さほどよくわからないまま、当時、精神病を病んでいたこともあり、きちんと面会をさせてあげられなかったそうです。

一度だけ、中学生の時に学校の先生が彼女を連れてこられて、直接ではなく、陰からこっそりと「あの人が君のお母さんだよ。」と見せてあげたことがあるそうでした。

当時は養護施設では中学校を卒業すると、施設を出て自分で生活しなければなりませんでした。15歳のみゆきさんは一人で社会へ出て、一体どうなったのだろう?とみんな心配していました。

それから10年

一本の電話から

その後です。rosieさんはその施設で働くようになったのは。

ある時、そのみゆきさんから電話が入りました。あれからもう10年の月日が流れていました。その電話をrosieさんは取りました。名前は昔の出来事があまりに有名でしたから、聞いていました。

「〇〇〇〇の娘です。一度、母に会いたいんです。」と言いました。電話の向こうで、幼い子どもの声がしていました。rosieさんはピンと来ました。(結婚されて、子どもさんがおられるのだな)と。

みゆきさんは言いました。「ご迷惑はおかけしません。一度母の顔が見たいんです。」

rosieさんの心は決まりました。(これは何がなんでも会わせてあげよう!)と。

わかりました。こちらで相談してみますから少し時間を下さい。」

当時、施設内ではみゆきさんのことは禁句でした。関わりをもってはいけないことになっていました。そのぐらい、施設に迷惑をかけていたようです。

rosieさんは密かに思っていました。(これはダメだと言われたら、園長に内緒ででも会わせてあげないといけない。どうしよう?)直感的に、会わせてあげるべきだ!と確信したのでした。

内心、ドキドキしながら園長に相談に行きました。「場所もここではなく、別の所でと迷惑をかけないようにしますから。」とお願いしました。園長は苦虫を噛み潰したような表情でしたが一応OKしてくれました。やれやれ!

念願のお母さんとご対面

それから1ヶ月後、あるお店のお部屋で、ご対面となりました。みゆきさんはもう二人の母親となり、あの荒れた時期の面影はありませんでした。優しいご主人と愛らしい二人の子どもたち、そしてお義母様まで、ご一緒にはるばる来て下さり、和やかなひと時を過ごしました。

rosieさんはよし子さんと相談して、娘であるみゆきさんに一粒パールのネックレスをプレゼントしました。「お母さんからね」と。長い間、「お母さんらしきことを何もしてあげてなかったからね。」と。

そして最後に家族全員の笑顔の記念写真を撮りました。

お世話になった職員へもご報告

その後、rosieさんは退職されていた職員の方々のところへ、よし子さんとともに大切な家族写真を持って報告に回りました。「かつてはお世話になりました。娘もこんなに立派なお母さんになりました。」って。

するとかつての苦労された職員の皆様が、涙を流して「よかったあ。ずっと心配していたのよ。」って、喜んでくれました。

想いはただ一つ、お母さんと呼びたい

振り返って、rosieさんは思いました。

みゆきさんの想いはただ一つだったのです。

「お母さんと呼びたい!」私にはお母さんがいるんだから。

「母の日にプレゼントを贈りたい!」 お母さんがいるんだから。

みゆきさんとお義母様からは後からとても丁寧なお礼状をいただきました。

ささやかな rosieバーバを!

rosieさんも、「よし子さんが充分に母をしてあげられない分、私があなたの子どもたちのバーバをしてあげるから!」と、みゆきさんに3番目の赤ちゃんが生まれる時に、ベビー服を縫って送りました。すると彼女はとても喜んで、退院の日にそのベビー服を着せてくれたそうでした。その話を聞いて、rosieバーバも嬉しかったです。そんな大切な日に着せてくれるなんて。

先日も乳児院勤務の方とお話をしていたら、知的障害者の方が妊娠して出産されると、自分では育てられないので、生後5日目から乳児院へ送られてくることもあるとのことでした。

rosieさんはいつもお話しします。

「お母さん!」って呼びたいんです。自分にはお母さんがいるから!

母の日にプレゼントをしたいんです。お母さんがいるから!それだけなんです。

 

みゆきさんに梨でも送ってあげようかな?久しぶりに。びっくりするだろうなあ(笑)

子どもたちに「バーバから」って言ってって(笑)

 

これはタイ人の友人が3日に一回くらい送ってくれるカードです。これから時々、ブログにも登場しまーす。英語かタイ語のカードです。花の写真が多いかな?

 

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