斎藤惇夫さんの新刊を読みました。

どんぐりの実がたくさんついていました。リスになった気分で、あと少しだなあとワクワクしました。

『子ども、本、祈り』斎藤惇夫さんの最新刊

なんと彼が幼稚園の園長先生に?!

この数年の彼の近況を知らなかったので、びっくり!なんとキリスト教系の幼稚園の園長先生になられていました。長年、子どもの本の編集者(福音館)でしたが、彼の雰囲気からすると場違いな?(すみません!)場所に立たされて(本人曰く)いたのですねえ(笑)

「子ども、本、祈り」 斎藤惇夫 著  (教文館)

 

rosieさんは読んでいて、なんだか嬉しくなりました。というのは、彼が幼稚園でやんちゃな子どもたちと悪戦苦闘?している様子が伝わるからです。それはrosieさんも同じこと。

斎藤さんは頭からスコップで(四国では小さいものをスコップと言うが、関東ではスコップとは大人用の大きいもの。つまり、ショベルとスコップが関西と関東では逆なのです。)砂をかけられる羽目に。Oh,No! rosieさんだってそこまではされてないよ(😆)

でもrosieさんだって、やんちゃ組の数人を持て余しているのは事実。おもちゃを投げるわ、まわりの子を叩くわ、赤ちゃん用のコーナーに勝手に入り踏んで歩くわ、部屋を脱走するわで、大変。そうそう、斎藤さんの幼稚園のやんちゃグループも絵本を踏んだり投げたりするそうな。元編集者の彼にとっては身を切られる思い。rosieさんも同感!内心、許せないけれど、それは保育者サイドの環境設定の問題もあり、もっと彼らに応じたおもちゃや場所設定を見直して欲しい気持ちもあるが、なんせ新人パートの身でものは申せない。

そんなこんなで一人ですぐにできることが、「わらべうた」というわけです。このことについては後日、続きを書きます。

そうか、「斎藤さんもおんなじか!」と共感しながら、でもやんちゃな彼らを知ろうとする姿勢はおんなじで、大人の正当論では解決せず、孤軍奮闘中。

そういう斎藤さんを見るのは初めてなので、「おもしろい!」と思ってしまいます。それもキリスト教系の幼稚園ですからね。子どもはどこも同じ(笑)

愛書探訪より

斎藤さんが取り上げた愛書の数々は、あらためて読み直したくなるものが並んでいました。なんだかとても深いのです。知らなかったことが多くて。

<野鳥の図鑑 薮内正幸 作(福音館)>

これは我が家の本棚にずっと前からありました。でも野鳥を見るためには、近くでは有名なR公園へ行かねばならず、野鳥の会にでも入らないとだめなのかなあと諦めていました。でも、引っ越してから、すぐ近くで野鳥が鳴いているので、「そうだ!今こそ、この本の出番だ。」と気づいたのです。どこへ行ったかなあ?双眼鏡。探さないと!

<愛蔵版みどりのゆび  モーリス・ドリュオン 岩波書店> 岩波少年文庫にもあります。

チトが「緑の指」を持っていて、彼が指で触れるとしぼんでいた花も元気になり、植物の生えていない土地にも花が咲きます。このことはずっと内緒でした。やがてチトはツタをはって天にのぼり、天使だったことがわかります。作者は愛する我が子を亡くしたのではないか?「天使でした」と記すことによって、悲しみに耐えようとしたのではないかと。斉藤さんなりの想いを重ねた文章にジーンと胸が熱くなりました。

<児童文学論  リリアン・スミス  岩波現代文庫>

以前にもこのブログでこの本のことはふれました。私にとっても大事な本です。子どもにとっていい本とは何か?を突き詰めていった時に、わらべうたからファンタジーまで、的確な答えを示してくれた本でした。斎藤さんは、「今ほど、子どもたちが、子どもの時間を失ってしまっている時代はないのではないか。このリリアン・スミスの「児童文学論」が非常用の錨だ」とおっしゃるのです。rosieさんも同感です。

<吉田新一  「連続講座<絵本の楽しみ>」全4巻>

以前、子どもの本の会「がらがらどん」を仲間たちと開いていた時に、吉田新一さんをお招きして、ピーターラビットの話をしていただいたことがあります。イギリスの湖水地方の様子を見せていただき、ビアトリクス・ポターの人生を、ピーターラビットの生まれた経緯を教えていただきました。あー、子育て中の大変な時期だったけれど、あの時間があってよかったなあと今も思います。あの小さな絵本の中に、ポターの、絵が大好きな独特の育ち、動物が友達であった環境など、やがてはイギリスの湖水地方の自然保護に力を入れた人生など、思いを馳せながら、我が家の小さな絵本ピーターラビットシリーズを眺めました。

この本全4巻はまだ読んでいないので、図書館で借りてみようと思っています。

80歳の誕生日に?

斎藤さんは80歳の誕生日に、年長組の園児に「園長、まだ大きくなるの?」と問われたそうです。

「うん、あの雲よりも大きくもっと大きくね!」と答えながら、ほんとに大きくなれるかも?と思ったそうです。子どもたちの力ってすごいですよね。

rosieさんも「大きくなったら?」と尋ねられると、本当にまだまだ大きくなれるかも?と思ってしまいます。普段は老後の行く末を懸念しているのですが・・・

だって、もういいかな?と思っていたわらべうただって、あわてて勉強し直しているのですから。子どもたちのおかげで思わぬ課題が出てきます。

昨日も、若い先生が「rosieさん、縫うのがお得意なんですかあ?今度、生活発表会は12月なんですよ〜!」と。「今年はrosieさんがいるから、お願いできるかなあ?ってみんなで話してるんですよ〜!」 はいはい、お役に立てるならば、喜んで!

「難題を持ってくるなよ!」と内心、ドキドキしながら、平然と答えていまーす。

出版記念会は来年に。

本来はこの秋に出版記念会を行う予定だったそうですが、コロナ禍で、ズーム配信はやめて、来年、収まった時期に直接顔を合わせて語れる講演会を開くことになったそうです。

そのためには東京の教文館内にある「ナルニア」という子どもの本屋から直接取り寄せると、講演会参加可能になるらしくて、rosieさんは関東なので、もしかしたら行けるかなあ?との期待のもとに、ナルニアから取り寄せました。

来年、東京まで行けたらいいなあ。

今日はこの本のことだけになりました。rosieさんにとっては心に残る本でしたので。

台風は無事通過しました。みなさん、心配して電話やら、ラインやらありがとうございました。風雨のひどい時間帯に、メリメリっと音がして、林の中の細い杉の木が折れました。(隣の敷地でしたが。)やはり、2年前にも問題になった、かつてのように杉の手入れができていない林の弱さの問題を痛感しました。この辺りのように林が多い地域では課題ですね。

では、みなさん、ごきげんよう。今日は快晴の空を見上げています。

 

 

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