『絵本とは何か』の本は色褪せて、松居直さんのこと

福音館の創設者、松居直さん

松居直さん、96歳の新刊出版

友人から送られてきた出版案内にびっくりやら、驚くやら!

なんと松居直さんの新刊が出版されるとのこと。

実は気になっていたんです。お年を召されて、今は車椅子に乗っておられるとかで、そのご様子を何かで目にして以来、どうされているのだろう?と・・・

今回の新刊は福音館創立70周年を機に、月刊母の友に掲載されていたもの(自伝)をまとめたようです。9月発刊とのことで楽しみにしています。

rosieさんの最初に手にした松居直さんの本

rosieさんが初めて買った松居直さんの著書はこれでした。本棚から出してみると、いつの間にやら、もうこんなに色褪せていました。

今は装丁も変わってこんな感じです。

今となっては、この『絵本とは何か』の本をいつ、どこで買ったのかも定かではありません。でも子ども図書館を持つダビデ保育園に就職した時にはすでに持っていました。

就職した一つの理由は子ども図書館を持っていたからです。面接の時に、そっと尋ねました。「あの〜、保育園ではなくて、子ども図書館で雇ってもらうわけにはいきませんよね?」って。

今も園長先生は「あの時はびっくりしたなあ。こんな貧乏保育園が子ども図書館専任を雇えるわけないやろ?って」おっしゃるので、よほど衝撃だったのでしょうねえ(笑:すみません。驚かせて)

でも、当時すでに松居直さんは何度もダビデ保育園を講演のために訪れ、園長先生とも親しくされていたのでした。

子どもに必要なものって?

あの頃、福音館や系列のこどものとも社の方々は小さな保育園を一つ一つよく訪れて、子育て中の保護者の方々に絵本の大切さを語っておられました。まだまだ、古い回転棚にある稚拙な絵本しか町の書店にはない時代でした。

なぜ、子どもに絵本が大切なのか?どんな絵本がいい絵本なのか?丁寧にお話しされるのでした。

福音館は松居直さんが作られた出版社で、まず絵本を作るにあたり、絵も文も子どもだましではなく、美的にも言葉の点においても認められた作家を起用されました。

そして、子どもに何を伝えるべきか?それは戦後の日本の立て直しの中で、将来を担う子どもの未来を考えたものでした。

rosieさんは昔から岩波少年文庫の終わりに添えてある<岩波少年文庫発刊に際して>の文章が好きです。

「一物も残さず、焼き払われた街に、草が萌え出だし、いためつけられた街路樹からも、若々しい枝が空に向かって伸びていった。戦後、いたるところに見た草木の、あのめざましい姿は、私たちに、いま何を大切にし、何に期待すべきかを教える。未曾有の崩壊を経て、まだ立ち直らない今日の日本に、少年期を過ごしつつある人々こそ、私たちの社会にとって、正にあのみずみずしい草の葉であり、若々しい枝なのである。・・・」で始まります。

(続きは皆さんのお手元の岩波少年文庫のラストページでお読み下さい。ただし、この文章は岩波少年文庫の2000年度版以降は変更されています。さすがに時代が変わりましたから。でもこの文章を書き写しながら、ウクライナの様子が目の前に浮かびました。)

岩波少年文庫は1950年発刊が始まりました。

大人が読んであげる絵本

福音館が「こどものとも」を創刊したのが1956年。岩波少年文庫と同じく、安価で家庭に絵本が届くようにとペーパーブックの月刊物語絵本を世に送り出しました。

そして何よりも「子どもに読ませる本ではなく、大人が読んであげる本」と考えて、そのために当代一流の著者・画家が子どもたちのために全力を注いでつくる「大人も子どももいっしょに感動できるすぐれた絵本」とし、福音館の基本姿勢となりました。

第1号はこれでした。(これはrosieさんのもつ400号記念復刊絵本です)

 

マリンさんは、ついおばさんオススメで近所の若い子育て中のママにも言ってしまうんですって。「あのね。絵本はね、おやつと一緒で子どもたちに買ってやる時に選ぶでしょう?だから、どれでも同じではなくて、選んでやってね!福音館とかって。昔、子どもの保育園で教わったのよ。」って・・・😉

お節介なおばさんですが、まあ、こんなおばさんがいてもいいでしょう。お相手のママは「まあ、いいこと聞いたわ!」と喜んでいたそうですから😄

松居直さんとの思い出は讃岐うどん

rosieさんが仲間の人たちと絵本の会をしたり、幼稚園に関わっていた頃に、松居直さんにきていただいたことがあります。

そして、昼食は当然、讃岐うどん!でも、rosieさんは別室を取らずに、皆がセルフで作って食べるうどん屋さんでご馳走して、随分安上がりで済んだんです😆

なぜって、彼がそちらを希望されたから。なんだか、ずいぶんとざっくばらんにお話してしまい、今となっては穴があれば入りたい心境です(笑)

知れば知るほど、立派な教養とお考えをお持ちの方だったのに、rosieさんは・・・お恥ずかしい限りです。この歳になってみれば・・・

松居直さん、あの時は大変失礼をいたしました!馴れ馴れしくてごめんなさ〜い!

9月の新刊発行を楽しみにしていま〜す!お元気でいて下さいね。

では みなさま ごきげんよう。

(いつも行く図書館に飾ってありました。)

 

 

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